ATCなどの若手育成プロジェクトには当然のことながら、膨大なコストが掛かる。
パッと考えただけでも、参加者がライディングするホンダNSF250Rを用意しなければならず、さらには使用するタイヤ、消耗パーツも主催者側が用意している。インストラクター、運営スタッフのギャランティも主催者側が用意している。当然そこには、今年からメインスポンサーとなった出光、ホンダ、ブリヂストンなど企業のサポートがあるわけだが、そこで考えてみてほしい。
なぜそうした企業は、相当なお金をこうした若手育成プロジェクトに使うのだろうか?
もちろん、様々な企業活動を行い、利益を上げた中の一部を社会貢献することで還元する、というねらいもある。しかし最も大きなものは、自社のPRに繋げたい、自社のイメージアップや具体的に物を販売することでさらなる利益を上げたいと考えている。
イメージアップに繋げようとスポンサードしているわけだから、そこに参加するライダー、ヘルパーに対しては、プラスになるような言動が当然のことながら求められる。
CEVなどの現状を見てみると、トップレベルのライダーでも車両メーカーはもちろん、オイル、タイヤなどのスポンサーを得ているものはほとんどいない。対して日本では、ATCを始めとして、全日本トップランカーでなくても様々な関連企業のスポンサーを受けるライダー、チームが多い。世界的に見るとかなり特種で、相当恵まれた環境と言える。
だからと言って、企業のお金を無駄にするようなことは、結果的にエントラントは自分で自分の首を絞めることになる。
なぜ企業が自社のお金を使ってモータースポーツをサポートするのかという理由は、しっかりと認識しておくべきだろう。