2011年シーズン開幕戦、鈴鹿2&4の予選が無事に終了した。
ポールポジションを獲得したのは、木曜日の特別走行、金曜日のART合同テスト、さらに今日の予選のQ1、Q2、Q3とすべてのセッションでトップタイムをマークしてきた秋吉耕佑が2分7秒121でポールポジションを獲得した。2番手に加賀山就臣が2分7秒134で、3番手に高橋巧が2分7秒213でそれぞれ続いた。また、東日本大震災で自らも被災。被災地に元気を与えようと急遽スポット参戦を決めた伊藤真一は、2分7秒286で予選4番手となった。伊藤のマシンは秋吉のスペアマシン。日本全体に元気を出してもらおうと、TSR監督である藤井正和氏が音頭を取って動き、これをホンダを始めとしたテクニカルポンサーがバックアップをして実現したスポット参戦だ。
秋吉は自らが記録したコースレコードである2分6秒488を破ろうとこのレースウイーク入りしたが路面コンディションが厳しく、全力でのタイムアタックは予選で行わなかったと言う。加賀山が路面状況について説明してくれたのだが、今回、一緒に行われているフォーミュラニッポンのマシンが路面と車体を接触してしまう際の対策として入れられているスキッドブロックという木製の摺板が削られ、その木屑が路面に悪影響を及ぼしていると言うのだ。ちょうどスキッドブロックが路面と接触するポイントは二輪がアクセルを開けていくところ。前に加速するためにアクセルを開けていくのだが、ここに木屑が落ちていてスリップしてしまうと言う。しかも四輪の走行ラインは二輪との車格の違いから、四輪のラインを乗ってコーナーに入り、立ち上がりでは再び四輪のラインを横切って二輪は外に立ち上がっていく。どうしてもラインが交錯するのだ。
これまで2&4では、四輪のフォーミュラカーが路面に落とすタイヤカスや路面の表面に入り込むゴムが二輪のグリップ低下を招くことがたびたび指摘されてきたが、今年の2&4はやや状況が違うようだ。とは言え、やはりまったく異なる四輪と二輪が同じ日にレースを行うことで、二輪への影響は少なからず起きているのは間違いない。
明日のレースを秋吉は「7秒台で推移するだろう」と予想する。このハイペースに付いていけるのはフロントローの加賀山、高橋に、セカンドローの伊藤、さらに中須賀あたりか。いずれにしても、秋吉がレースを引っ張っていくのは間違いないだろう。ハイスピードバトルの中で、最後に秋吉に勝負を挑むのは誰か?そしてどんな勝負を挑むのか。
非常に楽しみな決勝になってきた。