前回の書き込みで、順調に作成できたようなことを書きましたが、
実際は約20年ぶりに一人で丸々一冊作るわけです。
そもそも、偶に原稿用紙20枚くらい(出版用原稿用紙は200字詰めなので4000文字くらい)の原稿は雑誌の依頼仕事で書きますが、今回の本は、限界無し(笑)。
自分が書きたいだけ書けるのですが、逆に言えば「書きたい」こと、伝えたいことを明確にしないと書けません。
20年間の錆を落としながらの作業となりました。
当然、そんな錆び付いた自分に対して、自分自身が信頼できない。
「本、できるのかなぁ」
そんな不安が、本格的編集作業スタートとなる6月末から私を襲いました。
結果、毎朝4時くらいに目が醒め、頭の中で「本、できるのかな。原稿、一人で書けるのかなぁ」のリフレイン。
でもありがたいことに、徐々に錆が落ちていき、原稿もちょっとずつ、インタビューした方が勝手に語り出してくれるようになっていきました。
この「インタビューした方が勝手にしゃべり出す」状態というのは恐らく、ゾーンに入っているときだと思います。
私はキーボードを打つだけで、頭の中から自然に言葉が出てくるのです。
そうなればもう、しめたもの。
私は単に、キーボードを打つ機械になるだけです。
でも、まったく新しい一冊を作り出すというのは、なかなかの難しさがあります。
表紙、中のイメージ、まったくゼロなわけですから。
取材を重ね、たくさんの方々の言葉を聞く中で、通常は徐々に本の姿が見えてくるのですが、
今回はそれが、なかなか見えませんでした。
見え始めたのは、表紙のデザインがデザイナーさんから上がってきて、さらに中の編集ページの最初のデザインが上がってきたあたりでしょうか。
そういう意味でも、今回デザインを全面的にお願いした新館健一さん(ROCKETS DESIGN from kstyle)には助けられました。
新館さんがいなければ、八重洲出版にお願いして発売日を延長し(実は最初の発売日は7月14日で、既に1回伸ばしてもらってます(苦笑))、まだ本が出来上がっていなかったかもしれません。
中のページに関しても、夜中に何度か相談に乗ってもらったりして、背中を押してもらいました。
改めて、感謝したいと思います。
そしてもう一人、この本の陰の功労者がいます。
これも前回の書き込みに書きましたが、そもそも私に「川上さんが書きたいことをフルに書ける媒体を作るべき」とけしかけてきた、長年の仕事仲間です。
その方は、今回の本でも原稿を書いていただきましたが、柳原淳一さん(株式会社日本複合材・代表取締役社長)です。
「情熱のロードレース」というタイトルも、柳原さんの提案によるものです。
自分のことって、自分ではあまり分からないものですよね。
自分にとって得意なことって当たり前にできることだから、他の人も当たり前にできるように思えてしまいがちです。
「川上滋人」の得意なこと、武器を柳原さんにたくさん指摘いただき、背中を押してもらいました。
改めて、ありがとうございます!
長く個人事務所、言ってみればフリーランスの個人商店で仕事をしてきた私ですが、今回の本を作成するにあたり、八重洲出版と本作成の契約を結ぶために株式会社化もしました。
それもこれもすべて、「情熱のロードレース」のためです。
柳原さんにも「川上滋人マガジン」と言われますが、そういう想いで作りました。
そして2号目は、さらなる一球入魂。
こうしている間にも、2号目の企画が進行し、早く自分が読みたくてワクワクしてます。
楽しみにしていてください。