『情熱のロードレース Vol.1』発売されました。

2021年8月16日に発売になりました『情熱のロードレース Vol.1』(八重洲出版)。

取材させていただいた皆さん、ありがとうございました。

読まれた方はお気付きになられたかもしれませんが、この本は私が一人でほぼ原稿執筆と編集をし、デザイナーであるkstyleさんにレイアウトしてただいて形になりました。

伝えたいことがたくさんあり、それは自分自身が書かなければという思いから、そういう手法を採りました。

どの企画に何ページ割き、企画の順番を決めて表にしていく『台割り』の作成、管理も私一人ですので、

取材に行き、インタビュー原稿を仕上げ、その文量と組み合わせる写真の点数のバランスを見て、ページを決めていきました。

レイアウトするのに、タイトル、サブタイトル、リードなどを決め、本文の文章量も予め決めてしまい、仕上がったレイアウトに原稿を合わせていくのは「後割り」というのですが、この本に関しては完全な「先割り」。

つまり、最初に原稿を好きなだけ書き、その文量と写真の点数を見て私がおおよその企画全体のレイアウトのラフを描き、それを新館さんに送って形にしてもらう、という作業で一冊仕上げました。

今時であれば、綺麗な写真と読みやすい文章量のバランス、ということに主眼が置かれます。

私もここ20年くらいは依頼された原稿を書く作業が多かったので、そういうバランスの中で仕事をしてきました。

自分で本を作るということに、可能性をあまり感じなくなっていたというのがその最大の理由です。

自分の思い描くレースの本を作り、読者の皆さんにその魅力を伝えたい。

そんな想いを抱きながら、1990年代後半にサイクルサウンズの編集長という職に就きましたが、

読者に喜んでもらえる本作りはなかなかしにくく、会社としては「広告クライアントに喜んでもらえる本作り」を主眼としていました。

編集方針を巡り、社長が引くのか、編集長が引くのかとなれば、当然のことながら編集長が切られます。

時代的にはインターネットが一般化し、最新の情報が流れるようになっていきます。

出版界は厳しい状況となりましてや、ニッチなカテゴリーである「レース本」は、厳しい状況になっていきます。

レースの取材はさまざまなクライアント、方々の応援もあって続けることができてきていますが、

こと「本」というものに関しては、時代が望まないだろうと私はそれまでの経験から、感じていました。

そうして、1冊丸ごと自分が管理して作る、という仕事から20年以上、私は離れていたのです。

このサイトでも「本に書けなかったこと」をちょっとだけ書いていますが、なかなか本の中に、自分の書きたいことは十分に書くことは難しいのです。

でもそんな私の執筆活動を見てきている長年の仕事仲間が昨年末「川上さんが書きたいことをフルに書ける媒体を作るべき」と、けしかけてきました。

私自身は正直、上述のような経験をしてきて出版の限界を感じていましたので、その話を聞いた瞬間は「できればいいですね」と人ごとのように聞いていました。

ただ、自分が感じているレースの魅力を、同じレースファンに伝えられる本ができれば楽しいだろうな、とは思いました。

他にそういう本があればいいのですが、残念ながら現状では存在しない。でもきっと、私と同じような感覚で、レース好きな方はいらっしゃるはず。そしてその一人が私の長年の仕事仲間で、彼のような人が他にもいるはず。

たまたまここ2年ほど、八重洲出版のムック本の原稿を依頼される機会があり、ムック本担当の方とも話をする機会が何度かありました。

八重洲出版は、私が弱小編集プロダクションを辞め、フリーランスとして仕事を始めたとこにいちばんお世話になった出版社です。ある意味、私の現在の礎となったのは、八重洲出版のモーターサイクリスト誌でフリーのライターとして仕事をさせていだいた経験です。

ダメ元で『情熱のロードレース』の企画書を渡したところ、あれよあれよと話が進み、今回の発売に繋がった、というわけです。

本が刷り上がったと八重洲出版から連絡があり、宅急便で送られてくるのを待ちきれず、配本日にクルマで八重洲出版へ向かいました。

酒井社長がわざわざ来て下さり、仕上がった本の話などをしたり、モーターサイクリスト誌元編集長の松尾さんも顔を出してくれたりと、久々の本をお世話になった八重洲出版から出すことができ、ずっと一人で仕事をしてきている自分にとっては、ホーム感を覚える場所が八重洲出版であることを思い出させてくれました。

既に2号目の準備は進んでおり、1号目を超える盛りだくさんになりそうで、私自身が非常にワクワクしています。

作ってみたものの、なかなか良い活用方法が見付からずにここまで来たこのホームページも、情熱のロードレースの情報を発信する場として活用することで、多少は面白いことになるのかなと思っています。

デジタル時代になり、私自身も撮影するようになって多少は撮影技術も身に付けたので、面白い話が聞けそうだとなれば、カメラとICレコーダーを持って私一人で飛んでいけばページを作ることができます。

そんな形であちこち飛び回り、Vol1は完成にたどり着きました。

私がいちばん大切にしているのは『現場感』。

レースは現場で行われていますから、そこに立ち続けることが大事だと私は感じています。

それも可能な限り『シリーズ全戦』取材。

例え取材先の方が現場に行かなくなった方だとしても、取材するこちら側の人間は現場に行き、現場感を持っていること。恐らくそれは、基本的でとても大事なことだと私は感じています。

Vol.2も同じスタイルで、あちこち飛び回ってきます!

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