MARKUS REITERBERGER ショートインタビュー at アジア選手権第3戦SUGOラウンド

初めまして。今シーズンのアジア選手権をYouTubeで見ていて、あなたのライディングがとても興味深かったので、注目していました。
「あぁ、色んな人にそれは言われるね」
今季からアジア選手権ASB1000クラスにBMW M1000RRで参戦を始めて、開幕戦は少し苦労している印象でしたが、第2戦は両レース制覇。アジアのレースに慣れたから?
「東南アジアはとにかく暑いよ。3月のドイツの平均気温を知ってる? 5度とか6度だよ。最高に上がったって10度超えるくらい。それなのに開幕戦のタイは、40度近かったんじゃない? 40度だよ!レザースーツ着てヘルメットかぶってバイクに乗ってレースするなんて、クレージー!(笑)でも今年はアジア選手権にフル参戦するからね。そんなことも言ってられないし、なんとか対応出来るようにして第2戦から成績が上向いた感じかな。今回も覚悟してきたんだけど、意外とスポーツランドSUGOは過ごしやすいね」
ここは盆地だから、夏は太陽が照り付けるととんでもない気温になるのですが、このレースウイークはそこまで暑くなっていませんね。
「それは助かるな(笑)」
世界耐久にも参戦しているんですよね。
「BMWのファクトリーチームであるBMW MOTORRADからEWCにフル参戦しているよ。だから先週(6月17日〜18日)はスパ・フランコルシャンの24時間耐久に出て、一度ドイツに戻り、そこから日本へ来たんだ」
ハードスケジュールですね。
「レースをするのが仕事だしね、この仕事が気に入っているから楽しいよ。スパの耐久が終わったら自分でクルマを運転してドイツの自宅まで戻り、そこから日本へ来たんだよ」
スパのあるベルギーからドイツって、かなり離れてますよね?
「クルマで8時間くらいかな」
タフですね。
「そう? 言われてみるとそうかもしれないね(笑)」
SUGOのコースの印象は? 金曜日が初走行だったのですよね。
「そうだよ。でも、スパみたいにアップダウンが激しくて難しいコースと比べると、簡単だよ」
ここもけっこうなアップダウンがありますけど。
「でも、コーナーの途中で登ったり下がったりという極端なレイアウトは採られていないでしょ。スパはそういう場所ばかりで、すごく難しいよ」
最初の話に戻りますが、あなたのライディングは走行ラインをよく外しますよね。多くのライダーが、それなりのラップタイムのレベルになると少しの違いはありますが、同じラインになっていきます。
「そうそう、それについては色んな人に指摘されるね」
あまり走行ラインにこだわらないのですか?
「まぁ、こだわるかこだわらないかと言えば、こだわっていないね」
昨日、ダンロップタイヤの開発の仕事をしているライダーと、あなたのライディングスタイルについて話をしました。その彼が言うには、もの作りをする開発ライダーは、短時間に善し悪しを判断しなければならないので、コーナー入口でギリギリまで我慢してフルブレーキングしてみるとか、極端なことを敢えてやって判断をしていく、と言っていました。そのライダー曰く、並のライダーはそういう走りをするとラップタイムが大きく落ちるけど、あなたの場合はそれがないと褒めていました。あなたもBMWのワークスライダーですから、例えばM1000RRRの開発の仕事もしたりするんですよね?
「ちょっとだけね。でも、そのダンロップタイヤの開発ライダーの言っていることはすごくよく分かるよ。たしかに短い時間でものの見極めをしなければいけないので、極端な走りをすることもある。まぁ自分の場合は基本的なライディングスタイルとして、速く走れれば問題ないと考えているから、多少ラインがルーズになっても気にしないかな」
それは例えば、自分のマシンがコントロール出来る範囲内にマシンが収まっていれば良い、というようなそんな感覚なのですか?
「そうだね。1000ccのスーパースポーツバイクは、車体の重さもエンジンパワーもあるから、走っているときの慣性力は相当なものになる。それを常にコントロールしなければいけないから、なんて言うんだろ。重心位置を自分の支配下に置くようにしているというか、そんな感じかなぁ。そこが大きくズレちゃうと、とてもマシンをコントロールすることなんて出来なくなるからね」
24時間耐久になると、いろんな状況に遭遇することになると思いますが。
「だから、とにかくマシンを自分の掌の上に置いておくような感覚でコントロールすることを大事にしているかな」
鈴鹿8耐も参戦しますよね。
「うん、するよ。このレースが終わったら一度ドイツに戻って、もう一度日本に戻ってくる。まだまだぼくのハードな旅は続くよ(笑)」
まずは今回のレースで良い成績を! そして鈴鹿でまたお目にかかりましょう! 良いレースが出来ることを祈ってます。
「ありがとう! 鈴鹿でもまた会おう!」

 

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MARKSが所属するEWCを戦うBMW MOTORRADの情報はこちら

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