若手育成プロジェクトは成長の場ではなく結果を出す場

現在ではロードレースの若手育成として真っ先に挙げられるのが『アジア・タレント・カップ』(通称ATC)だ。

今年のATCは昨年末にセレクションが行われ、そこで選ばれたライダーが参加し、全6戦12レースで争われる。

一部のライダーは、目標としてATCセレクション合格を考えるが、そこはあくまでもスタート地点に立っただけにすぎない。

そして多くのエントラントが勘違いしがちなのが、ATCという若手育成プロジェクトの中で成長しようと考えがちだが、これは大きな誤りだ。当然、レースを経験する中で成長するだろうが、そこでの成長のみを待つのではなく、あくまでもATCは『結果を出す場』であり、そこで結果を出すことで次のステップ、具体的に言えばCEVのMoto3、ルーキーズカップ参戦権を得ることだ。

つまり、ATCで結果を出すために先ずは日本国内で徹底して練習を重ねてスキルアップを図り、その成果を見せる場がATCなのだ。

残念ながらATCセレクション合格を目標とし、そこに加わることができれば自動的に次のステップに進めるような理解をしてる参加者がいるようだが、結果を出せなければ1年で入れ替え対象となり、2年目の同シリーズ参戦はない。

1戦1戦を大切に、そこで結果が出せるようにしっかりと日本国内で練習を重ねる必要がある。